“あなたは、幸せですか”― Happiness is a habit

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あなたは、幸せですか

と聞かれて、“はい”と即答できる人が、現在、日本にどのくらいの人がいるでしょうか。

昨年、私は8年以上住んだアメリカを離れ、日本に完全帰国しました。
滞在中は、猛烈に勉強して、がむしゃらに働きました。おかげで、帰国後は抜け殻のように
なってしまい、別人のようになっています。よく言えば、“のんびり” 過ごしているのです。

表面的には、これから日本で「ミドルエイジ(後半)再就活」の戦闘体制に入るために体力と気力の温存中というわけです。しかし正直な気持ちは、なんだかモチベーションが上がらないのです。日本に帰国して、いわゆる幸福度がガク下がりなのです。

もし今、誰かに「幸せか」と聞かれたら、「いいえ」と言ってしまうかもしれない。

なんでもない平凡すぎる日々こそが、実は一番の幸せ

「あなたは、アメリカにきてどう?今、幸せ?」と、時々、聞かれました。

アメリカに滞在していた際、時々、幸福度について話題になりました。
日本人の私と話をする人は、日本について、理解しようとしたり、興味を持っている人が多いことも背景にあったと思います。人によっては、日本では自殺者が多く、それが社会問題の
一つになっていることも認識していました。ニューヨークのビジネススクールに通っていた頃、教授や家主との会話の中でも、話題になりました。

私の場合、第一渡航目的が、アメリカで学位を取得をすること。無事、卒業して、仕事をしていたわけだから、「もちろん」と即答していた。彼らにも同じ質問をすると、ほとんどの場合「もちろん、満足している」と返事がきました。
さらに深く、なぜそう思うのか。どんな時に幸福を感じるのか。と、聞くと、地域、職業、
文化によっても、その意味合いが少し異なることがわかりました。

実際は、幸福という言葉より、彼らは「私は、アメリカで成功した」という言葉を使うことが多かったのです。確かに外国から学生ビザや就業ビザを取得した後、永住ビザ(グリーンカード)を申請をして、それが全て通った人は、間違いなく、それはある意味成功だろう。
またアメリカに来て、移民申請から始めた人は、更に全てのハードルが高くなる。

アメリカで生まれ育ったアメリカ人でさえ、ニューヨークの競争社会で生きていくのは
大変なのですから。自国以外の国で生きていくのは、新たな言語を覚え、文化や習慣の異なる中で、相当な覚悟で人一倍の努力をしない限り、成功は絶対にあり得ないのです。

アメリカでは、私は外国人。
当然のことながら、アメリカの法律や社会ルールに従う必要があります。
大学を退学になれば、即刻、帰国しなければならない。職場をリストラされた場合も、
ある一定期間に、次の職場が決まらなければ、アメリカを出国する必要があります。
またコロナ禍に伴う、ロックダウンやアジア人差別などもあり、やはり常に危機感を持って
過ごす必要がありました。

私は日本で生まれ、日本で育っています。日本語で生きていける日本での環境下では、
それだけで楽なわけです。この危機感の無さ、余裕、極度の平和ボケが、私をダメダメ人間にしている気がします。

当たり前にある日常は、実は当たり前ではない

本来なら私が一番、当たり前の日常が当たり前ではない。ということをよく知っているはずでした。25歳でガン告知を受けた際、それまであった人生の全てを失ったからです。
その中のいくつかは、その先にあったはずの私の人生から完全に奪いました。

それまで、雑誌の占いページを見ても、恋愛ページしか読んだことがありませんでした。
健康や仕事運については、全く興味がなったわけです。ところが病になったことで、恋愛、
仕事、健康どころか、ありとあらゆるものを失い、人生が一転した。

自殺も考えました。ただ「治療(手術や抗がん治療)をしなければ、間違いなく死ぬよ」と
主治医に宣告を受けたということは、死ぬかもしれないので、わざわざ今、死ぬ必要はない。という現実がそこにあったわけです。

しかし人生とは実に不思議なものです

当時、病院で過ごしていた時は、激しい副作用で、想像を絶する嘔吐の繰り返しの日々、
一週間で7キロの体重が落ちました。もちろん、髪も抜け落ちました。

あれから20年以上経った現在の私は、外見も内面も全くの別人です。
長い月日が経っても、あの頃のことは忘れることはありません。
しかし時間とともに記憶が薄れ、心もどこか癒されるものなのかもしれません。

そして、そう遠くない将来、今の穏やかな環境はまた変わります。
順番からいけば、いつか両親を見送る必要があるからです。そして私自身も、また違う部分の
ガンが見つかるか、違う病にかかることが推測できるからです。

一日一回「小さな冒険をする習慣」を心がけることが大切

平凡でつまらない日々に不平不満を言うのも、それも人生。
けれども、人生は一度きりなのです。私もモチベーションを上げるために、
明らかに意識改革が必要なようです。

最近、一日に一回、「小さな冒険」をしています。
私の小さな冒険は、日によって異なりますが、

例えば、

  • 本を読むこと
  • 音楽を聴くこと
  • 友人と美味しいものを食べにいくこと
  • デザートを食べること
  • 家族にディナーを作ること
  • バスボブを入れてゆっくり入浴をすること

日々の小さな幸せを習慣化することで、気分をリフレッシュしています。

アメリカと日本の大きな習慣の違いが、この冒険の大きさの
違いです。多くのアメリカ人が好きなことはと聞くと、
“Love exploring in the City, finding new restaurants, and enjoying another countries” というような回答がきます。

特にニューヨーカーは、新しいレストランやバーで飲んだり
食べることが大好きだし、旅行も年2回くらい海外旅行をします。

彼らの大きな冒険は、幸福度にも大きな影響を与えていると思います。

退屈だな。。。と感じる日が続いたら、ぜひ小さな冒険から初めてみてください。

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